人を由来とする試料を用いた研究について
応用病理学分野では、東京大学大学院医学系研究科・医学部倫理委員会の承認に基づき以下の研究を行っています。これらの研究では過去に患者様の腫瘍から樹立された脳腫瘍や胃がんの培養細胞株を用いた検討などを行っています。
Mesenchymal型神経膠芽腫に対する抗体医薬の研究
1.研究の対象 |
「創薬研究に有用な患者検体移植モデルの構築に関する研究(課題番号 2015-123、研究代表者 濱田哲暢)」にご同意いただき、PDX株が樹立できた患者さんが対象となります。 |
2.研究目的・方法 | 神経膠芽腫(GBM)は2010年に遺伝子の発現パターンに基づいてproneural,neural,classical,mesenchymalの4つのサブタイプに分類されています。Mesenchymal型の神経膠芽腫(以下、MES型GBM)はGBMの約40%を占め、放射線治療や化学療法などが効きにくい(治療抵抗性を示す)ことから、最も悪性度の高いGBMと考えられています。 |
3.研究に用いる試料・情報の種類 |
試料:「創薬研究に有用な患者検体移植モデルの構築に関する研究(課題番号 2015-123、研究代表者 濱田哲暢)」において樹立されたPDX株 |
4.試料・情報の公表 |
この研究から得られた結果は、医学関係の学会や雑誌等で本研究に関わるしかるべき研究者が公表致します。また遺伝子解析のデータは、科学技術振興機構バイオサイエンスデータベースセンター(National Bioscience Database Center: NBDC)が運営するNBDCヒトデータベースに登録し、国内外の研究機関や製薬企業等の民間企業において実施される研究に活用されます。個人の同定につながらない、情報は制限のないデータとして不特定多数の者に利用され、個人毎のデータ等は制限のあるデータとし、審査を経て承認された研究者のみが利用します。 |
5.外部への試料・情報の提供 | 共同研究機関への試料と情報の提供は匿名化した状態で行われ、特定の関係者以外が情報にアクセスできない状態で行います。対応表は、当センターの研究責任者が保管・管理します。 |
6.研究組織 |
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7.お問い合わせ先 | 本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。 照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先(研究代表者・責任者): |
審査番号G3532:
腫瘍細胞におけるTGF-βファミリーシグナルの網羅的解析
利用目的・方法: | 腫瘍細胞におけるTGF-βファミリーシグナルとその関連因子の機能解析。腫瘍細胞における遺伝子発現・遺伝子変異・細胞応答を評価する。 |
利用情報: | 細胞株の遺伝子発現情報・ゲノム配列情報 |
試料の利用者の範囲: | 研究計画書に記載のある者 |
研究責任者: | 宮園浩平 |
審査番号G10114:
がんのクリニカルシークエンスと付随研究としての網羅的ゲノム・エピゲノム解析
利用目的・方法: | 複数のがん関連遺伝子からなるターゲット遺伝子パネル(Todai OncoPanel)を作成し、腫瘍およびペア正常細胞のゲノムを次世代シークエンサーで解析することで、450種類以上のがん関連遺伝子の点突然変異・挿入欠失・遺伝子融合・遺伝子増幅・遺伝子欠失を一度の解析で明らかにする。またTodai OncoPanelには遺伝性腫瘍遺伝子も搭載しており、もし患者の生殖細胞系列ゲノムが遺伝性腫瘍遺伝子変異陽性である場合に、しかもその遺伝性腫瘍遺伝子変異のもたらす相対危険度が十分に高い場合は、希望のある患者およびその家族に解析結果を開示し、その臨床的意義について遺伝カウンセリングする。Todai OncoPanelの解析で発がん原因遺伝子が特定できなかった場合などは解析を拡大し、全エクソン解析、全ゲノム解析などの網羅的解析を行う場合がある。 |
利用情報: | 腫瘍及びペア正常細胞のゲノム配列情報・遺伝子発現情報 |
試料の利用者の範囲: | 東京大学および国立がんセンターにおいて本研究計画に記載の研究室で解析が行われる。 匿名化されたシーケンスデータは本邦の公共データベースに適切な形で登録される。研究結果は論文公開される。また同意撤回時点で既に解析が終了し、論文公開またはデータベース収載された場合はデータの破棄は困難である。 |
2019年10月 変更申請内容: |
Todai OncoPanelの開発やシーケンス作業・解析作業の労務提供を行っている株式会社シスメックスおよび株式会社理研ジェネシスに加えて、研究資金の提供および解析作業の労務提供者としてコニカミノルタ株式会社が加わります。本研究の研究者の一部はコニカミノルタ社と共同研究契約を結び研究費を得ています。利益相反について利益相反アドバイザリー機関に申告し、マネジメントを受けています。 研究・解析は従来通り東大及び国立がんセンター内で行われます。 |
研究責任者: | 宮園浩平 |
連絡先: | 本研究に参加された際の医療機関・担当医にご相談ください。 不明の場合: 〒113-0033東京都文京区本郷7-3-1 東京大学医学系研究科 分子病理学分野 |
審査番号11065:
ヒト末梢血中免疫担当細胞を用いたがん細胞株由来分泌因子および抗腫瘍免疫抑制作用阻害剤候補の評価
利用目的・方法: | 薬剤候補の効果検討。細胞における遺伝子発現や薬剤投与への細胞応答を評価する。 |
利用情報: | 細胞における遺伝子発現情報 |
試料の利用者の範囲: | 研究計画書に記載のある者 |
研究責任者: | 鯉沼代造 |
審査番号2020208NI:
FOP患者由来fibroblastを用いたBMPシグナル抑制化合物の骨化抑制評価
熊本大学発生医学研究所にてFOP疾患の皮膚検体由来細胞を用いた研究に
ご参加の方およびそのご家族の方へ 当研究室ではBMPという体内のシグナル伝達物質の研究を行っており、その一環でBMPシグナルを抑制するため開発された化合物について、BMPシグナルに関わる遺伝子の変異が関係する疾患である、FOPの治療薬開発に結び付けるべく検討を行っています。このうち一部の検討においては、FOPの患者様の皮膚から過去に熊本大学の研究機関が樹立した線維芽細胞という種類の培養細胞株の供与を受けて使用します。
この研究は、東京大学医学部倫理委員会の承認を受け、東京大学大学院医学系研究科・医学部長の許可を受けて実施するものです。
収集した試料とFOPとの診断名やFOPの原因遺伝子変異の情報は、樹立された熊本大学で解析する前に氏名・住所・生年月日等の個人情報を削り、代わりに新しく符号をつけ、どなたのものか分からないようにします(このことを匿名化といいます)。匿名化した上で、熊本大学で厳重に保管されています。 この研究のためにご自分(あるいはご家族)の試料・情報を使用してほしくない場合は下記の問い合わせ先に2021年3月31日までにご連絡ください。研究に参加いただけない場合でも、将来にわたって不利益が生じることはありません。 研究の成果は、あなたの氏名等の個人情報が明らかにならないようにした上で、学会発表や学術雑誌、国内及び海外のデータベース等で公表します。 本研究の結果として特許権等が生じる可能性がありますが、その権利は国、研究機関、民間企業を含む共同研究機関及び研究従事者等に属し、研究対象者はこの特許権等を持ちません。また、その特許権等に基づき経済的利益が生じる可能性がありますが、これについての権利も持ちません。 この研究に関する費用は、日本医療開発機構の難治性疾患実用化研究事業から支出されています。 尚、あなたへの謝金はございません。 この研究について、わからないことや聞きたいこと、何か心配なことがありましたら、お気軽に下記の連絡先までお問い合わせください。 2020年10月
連絡担当者 |