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シグナル伝達の制御機構

<背景>

サイトカインに代表される液性生理活性因子は標的となる細胞や組織、また作用するタイミング(時)によって、様々に異なった作用を発揮する。これはシグナルを司る分子の発現制御・機能調節のみならず、非常に巧みに調節された抑制分子・促進分子の協調作用によって惹起される。近年、これらシグナル分子を標的とした薬剤が抗癌剤として臨床応用されたことからも、この複雑な情報伝達機構を解明することは、今後、様々な疾患の原因解明や診断・治療に応用するために非常に重要であると考え研究を進めている。

<現在の取り組み>

TGF-βはプロトタイプとして、BMP(骨形成因子)、アクチビン等を含んだTGF-βスーパーファミリーを形成している。これら一群の因子は、セリンスレオニンキナーゼ型受容体に結合し、Smadタンパクをリン酸化する。リン酸化され活性化されたSmadは核内に移行し転写共役因子等と相互作用の結果DNAに結合、目的遺伝子のmRNA発現を誘導する。このプロセスは様々な細胞内因子により調節されていることがわかっている。我々は、その中でも作用の強い代表的な因子について解析を進めている。

文献

(1) 癌原遺伝子c-Ski産物によるTGF-βシグナルの調節機構の解析

(2) Smadシグナルのpositive regulator, Arkadiaの作用機構の解析

(3) 抑制性Smadの作用機構の解析

(4) 酵母two-hybrid法を用いた新規Smad結合タンパクの同定および機能解析

<Review>